5G回線とは
5G回線がIT業界に与える影響を考える前に、まず「5G回線とは何なのか」という点について考えてみましょう。
5G回線とは、モバイル通信システムの第5世代を指す用語です。
基本的にはパソコンやスマホがインターネットに接続する通信システムの最新版と考えて問題ありません。
現実の物で例えると「4Gが車なら、5Gは飛行機である」と言われてるほど、5G回線は従来の4G回線と比べて劇的に進化しています。そんな5Gは、主に「高速かつ大容量」「低遅延」「同時接続」といった3つの特徴を備えているのです。
高速かつ大容量
5G回線は4G回線と比べ、データを高速かつ大容量で移動できます。
具体的には「最高伝送速度 10Gbps」が実現可能であり、この数字は現在の家庭用回線で最も速い「光回線」の5~10倍にあたる速度です。
低遅延
遅延とは、こちらが送ったデータを相手が受け取るまでのタイムラグを指します。
5G回線では「1ミリ秒程度」の遅延が起こると言われており、この数字は4G回線の1/10程度です。
同時接続
5G回線では、4G回線と比べて約10倍の「100万台/km²の接続機器数」が実現します。
手持ちのスマホ100台が家のインターネット回線に繋がるほどの効果が見込める数値です。
より身近な例だと、ライブ会場や祭りの会場でスマホが使いやすくなるというメリットがあります。
5GがIT業界に与える影響
5Gについての理解が深まったところで、IT業界に与える影響について考えていきます。
IT業界は細分化すると多岐にわたるので、ここでは「ゲーム」「音楽・映像」「SNS」の3つの分野に絞って考えていきましょう。
ゲーム分野
ゲーム分野では、快適にオンラインゲームがプレイできるようになります。
とくに「同時多数接続」が強化されれば、今話題のMMORPGという種類のゲーム内で起こるリアルタイムイベントがサーバーダウンすることなく快適に楽しむことが可能です。
音楽・映像分野
音楽・映像分野では、ライブ配信やストリーミング配信といった、リアルタイム配信がより快適に楽しめるようになります。
Instagramのライブ配信やYouTube Liveなどで音楽ライブの中継が行われた際に、遅延やデータ容量の問題で悩むことが少なくなるのです。
SNS分野
SNS分野では、今まで以上に身近な人とリアルタイムで繋がれます。
とくに2021年頃から流行し始めた「Clubhouse」やTwitterの「スペース」機能などに代表される、音声の同時多人数接続形式のSNSにおいて、快適な環境が整えられる見込みです。
IT業界以外にも波及する5G
スマホやタブレットが当たり前に使われる時代です。
5G回線のもたらす恩恵はIT業界にとどまらず、幅広い業界に普及していくでしょう。
どの業界の関係者だとしても、注目していきたい技術なのではないでしょうか。